すべての動作がダイレクト
フリークを唸らせる
独特なフィーリング
BMW 320i
(E30)1988y
じっくり探せばまだまだ
良い個体に出会える
82年にデビューしたE30こと2代目3シリーズは、ネオクラシックBMWとして根強い人気を持つモデル。近年、中古車の流通量が減ってきたこともあり、相場は上昇傾向にある。乗り潰されて廃車になってしまったり、海外に輸出されるケースも少なくないようだ。
そんな中で見つけたのが、神奈川県横浜市にあるポールポジションで販売されている88年式の320i。スモールシックスと呼ばれるSOHCの直6を積む4ドアモデルで、エリプソイドヘッドライトを採用し、テールデザインの変更、メッキモールを廃止するなどマイナーチェンジ後の後期型である。
モデルチェンジごとにボディが拡大されている3シリースだが、E30の魅力は軽量かつコンパクトなボディにある。さらに軽快に回るエンジンと相まってクルマを操る楽しさを存分に味わうことができるのだ。アクセルを踏む、ステアリングを回す、ブレーキを踏むといった一連の動作のすべてがダイレクトな感触を持つ。最新のBMWを購入できる人であっても、この時代のフィーリングが忘れられずポールポジションにE30を買いに来るというから、昔からのBMWフリークにとっても特別な1台と言えるだろう。
取材車は新車時からの整備記録が残っており、これまでどんな整備をしてきたかが把握できる。ポールポジションの伊藤氏はこう話す。
「中古車の数が減ってきて、良い個体が少なくなってきました。そんな中ですべての整備記録が残ったクルマはなかなかないと思います。ネオクラシック系BMWを購入する時には、これまでの整備履歴が重要で、いつ、どんな整備がされているかによって、購入後のメンテナンス計画が立てやすい。そもそもE30は構造がシンプルなクルマなので、定期的にメンテナンスされていればトラブルは少ないんです。当店では、納車時にきっちりと仕上げることによって安心してネオクラシックBMWを楽しめるようにしています。整備内容も公開しているので、ホームページをチェックしてもらえると嬉しいですね」
メンテナンスに使用する部品についても心配はないとのこと。今では当たり前に流通しているOEMパーツもポールポジションでは早い時期から扱い、今では信頼できるパーツのみを揃えている。豊富な経験があるからこそ、純正部品との使い分けも熟知しているのである。
取材車は現状でも問題がなさそうだったが、納車時にはさらにウィークポイントを中心に仕上げてくれる。そんなところも、安心してネオクラシックを楽しんでほしいという伊藤氏の熱い想いが込められている。