単純な作業に見えてもプロならでは細かな配慮がある
室内の天井生地が垂れてきてしまうというトラブルは、ドイツ車のみならず多くの輸入車で発生している定番の症状。最初は小さな垂れや剥がれでも、放っておくと全体に広がってしまう。ひどい状態になると、リアウインドーの視界を遮るほど垂れてきてしまったり、ドライバーの頭部に当たってしまうほど垂れてしまうこともある。これでは運転に集中できないばかりか、安全な走行に支障をきたすためきっちりと直しておく必要がある。見た目という部分においても、輸入車ならではの高級感を損なってしまうので、クルマ好きならやはり放置しておくわけにはいかない。
天井生地の裏にはウレタン製のパッドが付いており、この部分がベース材に張り付けられている。トラブルの原因となっているのが生地とベース材を張り付けている接着剤で、劣化が進むとウレタンがボロボロになり生地と分離してしまうのだ。
クルマによって生地の素材は異なるが、その違いによって劣化の状況が変わるということはない。それよりも、保管環境の違いによる差のほうが大きいのだ。
紫外線や熱というのは内装パーツを傷める一番の原因になる。それはルーフも同じで、直射日光が当たる青空駐車をしているクルマは劣化が早い傾向にある。とはいえ、保管環境は簡単には変えられないので、カーカバーなどを使って紫外線や熱の影響を抑える工夫が必要だろう。
天井生地が剥がれてきてしまった時の対処方法として多くのユーザーに選ばれているのが張り替え。費用もリーズナブルで、確実に補修できるのが魅力。生地も選べるので、このタイミングで自分好みの色や素材を使ってカスタマイズしてみるのも面白い。張り替えは、費用面のメリットだけではなく、使用する接着剤も日本の環境に合わせてあるから耐久性が高い。見た目も純正のようにキレイに張り替えてもらえるので、張り替え後は新鮮な印象を受けるほどの満足感を得られる。
純正に交換する場合は、ベース部分が新品になることと、オリジナル状態で再生できるのがメリット。ただし、古めのクルマの場合は部品が欠品となっていることもある。
ジースタイルでは良心的なプライスでルーフの張り替えをしてくれる。やろうと思えばDIYでも張り替えられるが、ディーラーからの作業依頼も多いジースタイルでは単純な作業に見えても、じつは細かい配慮があるなどプロならではのこだわりがあるのだ。
張り替えが前提なら接着剤による補修はNG
天井生地が剥がれてしまうのは熱などによる経年劣化が原因。保管環境が良いクルマほど劣化が少ないのはそのためだ。これといった予防策がないのが残念だが、生地が剥がれてきた時に接着剤などを使うと、張り替え時に余計な費用がかかることもあるので注意したい。
一部だけを接着剤で補修してもその周辺から剥がれは広がっていく。ピンで留めるくらいにしておきたい。