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高品質なリビルドATを提供するファクトリーZF社が唯一公認する デルオートのOHに密着②

 AT整備のプロ集団であるデルオート。欧州車を中心に5万台以上の修理実績を持ち、ドイツ車においてもZF製のみならず、メルセデス・ベンツの機械式ATまで幅広く対応してくれる。そこで当コーナーでは知っているようで知らないATメンテの真実について、同社の担当者に話を聞いてみた。

現場部門のリーダーを務めるテクニカルマネージャーの片岡氏。豊富な経験と深い知識、そして高い技術力でドイツ車のATを再生させている。
事業全体の責任者であるゼネラルマネージャーの松本氏。片岡氏とともにAT整備の未来を切開いてきた人物だ。現在は、大型車事業も兼務している。

ATメンテの真実

熟練メカニックにインタビュー

ATFの状態で劣化具合を把握し確実な作業を実践してくれる

 ATのメンテナンスとしてよく言われるのは、定期的なATFとフィルターの交換だが、ディーラーでは無交換となる場合も多い。また、長期に渡ってATFを交換してこなかった車両がいきなりATF交換をするとトラブルを引き起こすなど、ATメンテナンスにまつわる疑問がいくつか頭に浮かんでくる。
 そこでデルオートのテクニカルマネージャーである片岡氏に、正しいATFの交換について聞いてみた。
「ATFは作動油ですが、潤滑・清浄・冷却・作動・防錆といった多くの役割を担っています。さらにこれを一定の性能要件で満たす必要があり、例えば動力伝達機能として、温度変化に対して粘度変化が小さく.泡立ちが少なければならないなど、他にも摩擦調整や油圧としての機能などを満たさなければなりません。日本の道路事情は都市部になるほどストップ&ゴーが多く、渋滞も少なくありません。そうなるとATの温度が高くなり、ATにとってシビアな環境となってしまいます。それはATFにも現れていて、劣化したATFは変色していたり、焦げたようなニオイがすることもあります。こういった状態で走り続けると酸化が進行し性能はどんどん低下。油温も上がり気味となりゴムシールなどに悪影響を与えオイル漏れを発生させる原因になるのです。
 先ほどご質問があった長期間ATF交換してこなかった車両のメンテナンスについては、一度ATFのみをチェックして色やニオイを確認。それを見れば内部の状態はイメージできるのでATFの交換なのか、それともオーバーホールが必要なのかを判断できます」
 色やニオイの判別は、豊富な実績を持つ熟練メカニックならではといえる。オーバーホールのタイミングが分かれば路上でトラブルに遭うリスクもだいぶ軽減できる。
「ディーラーでATF無交換としているのは、寿命が来るまで使い切り、ダメなら交換といった考えなのだと思います。それにATの知識がないところでATF交換をすることによるトラブルを避けるといったこともあるのかもしれません。ただ走行条件にもよりますが、ATFは劣化します。そのため当社では一定のサイクルでATFを交換することをお勧めしていますね」
 デルオートではATのトラブル予防として、プリベンティブ・オーバーホールというサービスを展開している。これはATが壊れる前に予防的にオーバーホールを行なうこと。このサービスについてゼネラルマネージャーの松本氏はこう話す。
「路上でトラブルが起きたりすると気分が悪くなるだけじゃなく、レッカーを呼んだりなど手間も時間もかかります。移動中ですから、何らかの用事をこなせなくなることも。そういったリスクを軽減し、安心してドイツ車を楽しむため予防的にオーバーホールをするのがプリベンティブ・オーバーホールです」
 このサービスにはいくつか条件があるものの、トラブル後のオーバーホールより費用を抑えられることや、自身のタイミングで入庫できるなどがメリットとなる。もちろん、リビルド品と同様の保証も付く。
 このようにデルオートでは安心で快適なドイツ車ライフを送るためのサポートをしてくれるほか、クルマの年式を問わずオーバーホールしてくれるのが嬉しい。事実、BMWだけではなく、ヤングクラシック世代のメルセデスまで幅広く対応。それができるのも、長きに渡りドイツ車のATを修理してきた実績があるからこそ。また、ATは整備工場など業者から依頼されるケースが多いが、有名ショップの多くがデルオートに修理を依頼しているのも信頼の証といえる。

よくある質問として教えてくれたのが、リペアとリビルドの違い。リペアは故障した部位のみを交換する「復元」という作業であるのに対して、リビルドは故障部位の交換を含む、消耗品の交換も行ない、新品同様の性能に戻すこと。デルオートでの作業はリビルドであり、すべてメーカーの基準指示値に沿った修理が行なわれる。