世界中を席巻する
SUV人気の秘密を探る
3つのKeyword
日本のみならず、世界中で売れまくっているSUVというカテゴリー。我らがドイツメーカーもコンパクトからフルサイズ、さらには本格クロスカントリーまで幅広いラインナップを持つようになった。そこでここでは、SUV人気の秘密を3つのキーワードから探ってみたい。BMWでは初代X5からSAV(スポーツ・アクティビティ・ヴィークル)、さらにクーペのようなルーフラインを持つモデルをSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)と呼んでいる。
Keyword 01
ドイツ車ならではのブランド力に相応しい
「…デザインとイメージ」
ドイツ車のブランドパワーは圧倒的
国産車ではなく、あえて輸入車を選ぶ人はそのメーカーが持つブランド力やイメージを重視するケースが多い。安いクルマが欲しいわけではなく、自分を表現するツールのひとつとしてクルマを選ぶ傾向があるのだ。そんな中でドイツ車のブランド力は認知度も含めて圧倒的に強い。クルマのことを全く知らない人でも、ベンツやBMWと言えば「高級車」というイメージが染み付いている。さらにドイツのSUVというところまで絞っていくと、セダンでもなくワゴンでもない、SUVがアクティブなイメージと相まって選ぶ人が多いのもうなづける。
Keyword 02
「技術の進歩」により
走りのデメリットを払拭
現代のSUVの走りは大きな進化を遂げている
昔からよく車高が高いクルマはセダンやワゴンに比べて走行安定性や操縦性において不利と言われてきた。もちろん、構造を考えればその通りなのだが、それだけで、今どきのSUVを敬遠してはいないだろうか。近年登場したSUVの多くは、Gクラスなどの本格クロスカントリーを除き、車高の高さによるデメリットを払拭している。それは高度な電子制御のたまものとも言えるが、確かにドライビングしてみると、セダンやワゴンとの差はあまりなくなってきているように思う。むしろ、車高が高いぶんアイポイントも高くなるので運転しやすい面もある。一度慣れてしまうとなかなか戻れないはず。
Keyword 03
頻度を重視した
「実用性」の捉え方
セダンよりも荷物が積めるワゴンのような存在
実用性だけを考えれば、荷物がたくさん積めるミニバンが一番だが、国産メーカーも中途半端なサイズのミニバンが本当に売れなくなっているという。3列シートがあっても使う頻度は少なく、大きな荷物を積むのも年に数回なら、1年のほとんどの時間を多くても1~4名乗車となってしまう。SUVはワゴンの車高を高くしたようなものだと考えると、セダンよりも荷物が積めて、モデルによっては3列シートが付くものもある。そういった意味では実用性は決して悪くはなく、むしろ良い部類に入る。頻度を重視した実用性という考え方であればSUVはベストチョイスとなる。