輸入車に対する正しい接し方と
メンテを怠らなければ
何も恐れることはない
知らずにいると自分が
壊しているケースも
新車価格が1000万円以上するような高級モデルを100万円そこそこで買って、ろくな整備もしないで手荒に乗り回していれば、そりゃあ壊れるのは当然。常識的なコンディションのクルマを買って、輸入車の扱いに慣れた人が運転し、定期的な点検と整備を行なっておけば、まず路上で止まってしまうことなどない。
まず、是非とも避けたいのがドライバーがクルマを壊しているというパターン。クルマが止まった状態でハンドルを思いっきり切り返す、しっかりと停止する前にRレンジにシフトしていきなりアクセルを踏みつける、エンジンが回っている状態でキーをスタートの位置へ回してしまうなどなど、落ち着きのない荒っぽい操作はNG。それでもしばらくは耐えるように作られている国産車とは違い、そんな操作は想定外なのだ。
また整備に出して壊されるという残念なケースも非常に多い。国産車が専門でメルセデスの知識がない修理工場で、純正外のクーラントを入れられたり、指定の締め付けトルクを知ろうともせず適当に締め付けられたり。残念なことにこのようなケースが非常に多く、結果として本来は必要なかった高価な修理代が発生してしまい、「メルセデス・ベンツの維持は費用が大変だ!」などと言って回るユーザーが多かった。本来なら、意味不明な壊れ方をすることがなく、信頼性が高いのがメルセデス。また部品の交換が必要になった場合にも、細かなパッキンやネジに至るまで単体で部品が供給されているため、部分的な修理で直せて費用も割安で済むというケースが少なくない。維持における過失がなければ、メルセデス・ベンツの維持費は他ブランドの輸入車よりむしろ安いはず。
例えば1974年式、タテ目世代のコンパクトを購入したユーザーが、2年間に支払ったメンテナンス費用を聞くと、購入時には納車整備として冷却系や電気系などに手を入れたというが、それ以降パワーウインドーの調子が悪くなったことと、一度エンジンの調整をした程度で2年間乗れてしまったのだ。車両の状態が良く、丁寧に乗っていれば、2回分の車検に必要な自賠責保険料や重量税などの法定費用まで含めて、その費用30~50万円程度で収まってしまうこともあるという。半ばクラシックカーのようなクルマでもこの程度で維持できてしまうのだ。フェラーリやロールスロイスなどとは違い、メルセデス・ベンツの維持費は決して高くはないことが分かってもらえると思う。